シニア市場のインテリア
シニア市場は2025年には100兆円を超えると言われ、注目度が年々高まっている。消費を牽引する「アクティブシニア」が取り上げられるニュースも多くなってきた。
日本老年学会では、「高齢者」の定義を見直し、年齢を引き上げるべきだ、と提言している。自分なりの価値観を持ち、年齢を重ねながら、趣味やさまざまな活動に意欲的で元気なアクティブシニアは、したいコトにお金をかけ、消費を楽しむ、“シニアに感じさせない層”というイメージが膨らむ一方だ。
インテリアの世界も、今までの感覚を変える必要があると思う。将来的なバリアフリーは視野に入れつつ、第一に今の暮らしを楽しめるようなインテリア。
アクティブな毎日をサポートするインテリア。従来の感覚に縛られず、若々しく、お洒落で、時間的余裕もある活動的なシニア層にこそ、住まいのインテリアをもっと楽しんで欲しいと思う。
さらに言うなら、インテリア(空間)の力をもっと活用して欲しい、と考えている。
これからのシニアインテリアに向けたキーワードとして、“簡単・便利・健康”という3つの言葉が挙げられるのではないだろうか。例えば照明なら、シーン設定がボタン一つで出来るリモコン付LEDシーリング。
操作が簡単で、調光調色も自由自在で便利。機能を上手に使えば、健康につながるサーカディアンリズム(*24時間周期の生体リズム)の調整にも活用できる。
調光ロールスクリーンも、選ぶ色により、障子越しのような柔らかな自然光を、簡単、便利に室内に取り入れられる。朝の時間帯、自然光を上手に取り入れることが、質の高い睡眠にもつながる。
もちろん今どきのインテリアとも相性が良いので、お洒落心を重要視するこれからのシニアの価値観にもアピールできる。
インテリアが変われば、日々の行動が変わる可能性は大きい。若々しく、健康に、人生を楽しみたい!そんなアクティブな思いに応えるインテリアが益々広がることを期待している。
2018年4月1日号 室内装飾新聞 インテリアトレンド情報に掲載
*尾田恵のインテリアトレンドレポート/月1回連載中