2017年9月1日号 室内装飾新聞「空き家解消の処方箋」

「空き家解消の処方箋」

先日、新聞で「空き家解消問題」が取り上げられている記事を見て、インテリアこそ「空き家解消の処方箋」になりうる、と感じました。
それは、箱(建物)を変えずとも、空間イメージを一新する力がインテリアにはあるからです。
空間イメージが変われば、そこに新しい価値と、人を引き寄せる力が生まれます。 特に顕著なのが、賃貸住宅です。
見向きもされなかった部屋が人気の部屋へと変わる。 こちらが描いたイメージ通りの入居者の方に気に入って頂くことができる。
私は賃貸の内装計画を考える際、ただ綺麗にインテリアをまとめるだけではなく、そこに住んで頂きたい人のイメージ、その方が好まれる空間イメージを膨らませることを第一に考えます。
さらにどの部屋にも必ずある「空間の魅力」を、最大限に活かすインテリアを計画します。結果、古い部屋が「蘇る」瞬間に立ち会うことができるのです。
昨年、東京で外国人留学生向けのシェアハウスの案件に取り組みました。 数年空き家となっていた築60年の物件。
空き家をじっくり眺めた私の頭に浮かんだのは、この物件の魅力は「古さ」だということでした。
そこで古い真壁をそのままを活かし、女子に人気の着物コーディネート風インテリアとしてまとめました。
真壁を活かすことは、ローコストにもつながります。 魅力となった「古さ」は、留学生にとってのジャパニーズ・ヴィンテージ(渋さ)に。
さらに世界共通の「カワイイ」をプラスして、インテリアイメージのコンセプトは「渋カワ」にしました。
照明は、カラダに優しい「アクティブケア・ライティング」(7月号レポート参照)を設置し、見た目と見た目以上の価値も盛り込んだシェアハウスが完成しました。
現在、日本の空き家数は約820万(2013年調査)、その約半数は賃貸住宅という状況です。
インテリアによる「空き家解消の処方箋」。今後、益々その役割が広がりそうです。

2017年9月1日号 室内装飾新聞 インテリアトレンド情報に掲載
*尾田恵のインテリアトレンドレポート/月1回連載中

室内装飾新聞9月号

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