2019年5月号室内装飾新聞『“最高の睡眠”に必要な要素とは?』

 “最高の睡眠”に必要な要素とは?

 

“最高の睡眠”は環境から。パナソニックが先月東京・原宿に「究極の寝室」をオープンした。(施設名称:&Panasonic/アンドパナソニック)センサー付きのベッドに同社のエアコン、照明、スピーカーなど家電を配置した“快適な眠り”のための実験室とのこと。この「実験室」を拠点に、今後さまざまな分野との協業が期待される。ここ数年のブームとも言える“睡眠”への関心の高まりは、家電などのモノ単体から、眠りの質を高めるトータルな“空間づくり”へと、話題がシフトしていくように感じている。

“眠りの良し悪し”が評価の一つとなるホテル業界では、快適な睡眠の提供は大きな付加価値になる。“究極の眠り”をトータルにサポートするなら、インテリアを眠りのためにデザインする考えがあってもいい。そこでは照明=光の見え方を大きく変える内装の役割は大きく、内装材への検討も快適な睡眠環境に必要な要素となってくる。

今の時代、オフィスの「仮眠ルーム」も睡眠環境の一つと言える。短時間で質の高い睡眠を誘うための仕掛け、仕事と仮眠、行動のメリハリを生み出すための仕掛けにインテリアが役立つ可能性は高い。

また住環境では、シニア世代のリフォーム需要も増える中、健康を下支えする「最高の睡眠のための寝室」をリフォームで叶える、というようなニーズも増えるのではないだろうか。リフォームと言えば水回りが主役、という今までの常識が変わるかもしれない。

時代の変化と多様なニーズによって、インテリアの役割は変化する。綺麗でかっこよく、というだけではない新たな役割の一つに、“最高の睡眠”に必要な要素となる時代も近いと感じている。

2019年5月1日号 室内装飾新聞 インテリアトレンド情報に掲載
*尾田恵のインテリアトレンドレポート/月1回連載中

室内装飾新聞201905月号

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