「LAインテリア視察から2」
ロサンゼルス、インテリア視察の旅。前回に続き、今回は最新のLA住宅と邸宅美術館をご紹介します。
全フロアからLA市街を一望できる新築住宅は建築期間3年半、販売価格は約30億円という桁外れのスケールでした。ハリウッド・ヒルズの不動産価値を高めると言われる“ジェットライナービュー”(ジェット機の飛ぶ姿が見える眺望)、部屋数、広さ、インフィニティプール、巨大な自動車ギャラリー含め、全てが高級LA住宅の今を体感できる家でした。ホールからシャワールーム、室内から室外まで床材に使われていたのはイタリアの大理石“ブレッチア”。アートや色のある家具、空間のつながりが多いこの家の特徴にとても合っていました。何にでも合う床材を使うことで空間のスケール感はより一層高められていたと思います。新築と言っても、アートや家具、小物までトータルにコーディネートした上で販売されるのがLAスタイル。住宅の付加価値を高めるためにインテリアは大きな役割を果たしています。
もともとは鉄道王と言われた実業家ヘンリー・E.ハンティントンの邸宅だった建物を、現在は図書館や美術館として見学することができる「ハンティントン・ライブラリー」。家具のコレクションでも有名です。壁装と展示什器には多彩なカラーが取り入れられ、さらに
自然光を取り入れ、世界観が最も素敵に見えるよう計算されたインテリア目線の展示は素晴らしかったです。壁装の色あいはシックで絶妙な色合いばかり。展示品の美しさもさることながら、空間と空間とのつながり、壁装の色に魅了されシャッターを押す手が止まりませんでした。
インテリア目線からLAを感じると、毎年新しい何かと出会います。LAならではの気候風土に培われたラフな暮らしのスタイルをお手本に、インテリアの楽しみ方、魅せ方のエッセンスをこれからも上手に取り入れたいと思います。
2019年3月1日号 室内装飾新聞 インテリアトレンド情報に掲載
*尾田恵のインテリアトレンドレポート/月1回連載中