「LAインテリア視察から」
昨年もレポートさせていただいたロサンゼルス、インテリア視察の旅。昨年12月に7度目となる訪問が実現しました。今回は例年の住宅視察に加え、リノベーションで生まれ変わった旬なホテルや古い倉庫を改装したSOHO物件、富豪の元邸宅を使った美術館など、住宅以外の建築からもリアルな西海岸スタイルを感じることが出来ました。LAインテリアでは内と外を“一体”と捉える考えがあり、間仕切りの概念や自然光を活かした上での照明計画など、いつも学ぶべきインテリア手法の多くに出会います。
ダウンタウンで唯一の5スターホテル「ホテル・フィゲロア」は、インテリア性の高いリノベーションで生まれ変わった素晴らしいホテルでした。アール・デコのアクセントを巧みに取り入れ、スペインのコロニアルスタイルでまとめられたインテリアは、土地建物の取得価格を上回る、約100億円のリノベーション代がかかったというエピソードも納得の細部へのこだわり。しかし今ではリノベーション代を加味しても安かったのでは?、、という話もあるほど、LAでとても話題の人気ホテルとなっています。
元は飛行機のパーツ工場だった倉庫を改装したSOHO物件も、大胆なリノベーションで付加価値を高めていました。視察した頃がクリスマスシーズンだったため、巨大なツリーが空間のセンターにあり、スケール感がわかりやすく伝わってきました。倉庫を利用した住宅はLAでも少ないそうですが、壁面に残った機器類がリアルにインダストリアルな雰囲気を醸し出し、家具はヴィンテージ、キッチンにゴールドや大理石のアクセントもあり、近年のトレンドに新鮮さがプラスされたスタイルでした。
日本でも益々リノベーションの世界は広がる予感です。リノベーションで一番重視すべき点は“インテリア”となるような発想が、ぜひ日本でも広まって欲しいです。
次回は、最新のLA住宅、邸宅美術館をご紹介します。
2019年2月1日号 室内装飾新聞 インテリアトレンド情報に掲載
*尾田恵のインテリアトレンドレポート/月1回連載中