2020年4月号室内装飾新聞『チャンスは「現場経験」にあり』

  • 2020.04.17
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チャンスは「現場経験」にあり

今、新型コロナウイルス感染拡大の影響により「変化」を余儀なくされる業界は計り知れない。インテリア業界も同様で、私の周囲でも様々な状況変化に今後どう対応していくのかが話題の中心になっている。本来なら春の陽気とともに、新たなチャンスも生まれワクワクするような季節だが、今年ばかりはそうも言ってはいられない現実がある。

私は10年程前から「インテリアの力」を人の“健康”に役立てたいという想いから、「アクティブ・ケア」(生活環境から積極的に健康をセルフプロデュースする健康管理の手法)をもとに、インテリア空間を創ってきた。さらに「インテリアの力」を正しく知って欲しいために、データを分析し、学会発表などの活動に取り組んだ。ただそこは今までの自分には縁遠い世界で、言い換えると「インテリアコーディネーターがいない場所」。

しかし、現場経験をもとに研究に参加する試みを続けることによって、新しい分野とのつながりは増え、自分の持つスキルを活かすチャンスは増えた。私が20年以上ずっと変わらず続けてきたことは、インテリアの現場経験にこだわることであり、人の暮らし、日常に寄り添い、人の悩みや想いも受け取りながら、生活環境を創ってきたこと。だからこそ、人生100年時代、健康寿命の延伸、生涯現役社会といった“健康”を取り巻く場での役割があると思う。つまり私にとってのチャンスは、現場経験にあったのだ。

今は「安心安全」が第一。そのために今できることをそれぞれの立場で考える必要がある。今回の影響で、テレワークを取り入れる人、安全のために巣ごもりする人が増え、住まいの役割は今まで以上に大きくなっている。個に寄り添う“健康”のために、インテリアの現場経験が活かされる場は広がるのではないだろうか。住まいを家族にとって最も安心安全、健康のために整えるには、今までと違った視点と提案が重要だ。ただ新しく素敵に魅せるインテリアではなく、人を健康に導くためのインテリアが日本の健康デザイン、付加価値として受け入れられるような「変化」につながると期待している。

私はこの春から公衆衛生学の学びをスタートする。デザイナーとして医学を学び、インテリアの現場経験を役立てることが、私の新たなチャンスだと考えている。

2020年4月1日号 室内装飾新聞 インテリアトレンド情報に掲載
*尾田恵のインテリアトレンドレポート/月1回連載中

室内装飾新聞202004月号_

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