2018年6月1日号室内装飾新聞「オフィスの新しいカタチ」

  • 2018.06.18
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オフィスの新しいカタチ

 

先日、女性の躍進と新しい働き方をテーマにしたセミナーに参加した。あるキャリア女性の30年の歩みを伺って、昔と今の仕事環境の変化、当時の感覚に共感することが多かった。彼女は所属する会社で第1号となる育児休暇を取得。二人の子育てを経て現在は管理職として活躍されている。復帰した職場では、残業も休日出勤も当然あり。一貫して仕事環境は変えなかった、変えるという意識がなかった、というお言葉だった。キャリアを築くということはそんな環境と共に歩む時代が確かにあったと思う。時短やフレックスという概念がなかった時代を無我夢中で駆け抜け、先駆者として切り開かれた方、という印象だった。今は働き方改革が問われる時代。これまでの女性が切り開いてきたキャリアの可能性を、様々なスタイルで柔軟に実現出来る時代に向かっている。仕事か家庭か、ではなく、これからは仕事も家庭も。さらに趣味の充実も。人生の時間割をどのように組み立てるかは、それぞれの考え方次第という今、働く環境にも自由な発想が広がっている。最近増えつつある毎日好きな場所に座って仕事という「フリーアドレス」のスタイル。ある会社では家具レイアウトもさまざま、内装もカラフルでカフェのような空間は、一見オフィスとは思えないインテリアになっている。一方、緑視率に関するエビデンスを活用し、インテリアグリーンを積極的に取り入れているオフィスもある。「緑視率」とは、視界に占める緑(植物)の割合のことで、今まで建物の設計や街づくりの一指標として用いられてきたが、現在は社員の健康に配慮して生産性を向上させる健康経営のためにも使われ始めている。ちなみに緑視率が10~15%の環境にいるときに人のストレスが減り、パフォーマンスが最も向上するそう。インテリアを生き生き魅せるためにグリーンは効果的な存在だが、単に見た目の役割だけでなく、これからはオフィスの時間価値を高める存在として注目されるのは面白い。また斬新なオフィス空間として、渋谷に野外テントのレンタルオフィス“キャンピングオフィス”も登場した。私が通りかかった日は、夏日だったので正直暑さが心配にはなったが、中にいる方が結構楽しそうにミーティングされている姿を見ると、自由発想のオフィス空間として、時にはありかな、とも感じた。非日常のオフィスでは、心がワクワク自由になって、創造的なアイデアが生まれるかもしれない。働き方改革では、働く場としてのオフィス空間も自由なカタチに向かうのだと思う。オフィスのインテリアデザインも、益々自由な発想が求められそうだ。

 

2018年6月1日号 室内装飾新聞 インテリアトレンド情報に掲載
*尾田恵のインテリアトレンドレポート/月1回連載中

室内装飾新聞2018.6月号

 

 

 


 

 

 

 

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